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THE BANK OF PUTTERS

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2008年 01月 04日

名器の系譜 

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クラシッククラブのバイブルとして名高い「名器の系譜 クラシッククラブ大観」です。
著者はクラシッククラブの蒐集やゴルフ理論で有名な上野喜久男さん。
奥付には1985年12月15日発行とあります。


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発行元は雑誌GOLF CLASSICでお馴染みの日本文化出版社です。
写真はゴルフフォトグラファーの第一人者富士渓さんが手がけたようです。
当時の価格は一冊9,000円。堂々たるハードカバー240ページでこれだけの貴重な資料が
この値段といのは本当に値打ちがあると思います。
何年か前まではゴルフクラシック誌上でも関です連書籍として入手可能だったのですが、
どうやら現在では絶版のようです。コストが合わないなら値段を倍にしてもいいから
世に出し続けるだけの価値はある本だと思います。それだけに絶版は残念です。


名器の系譜 _a0093304_1523385.jpg


現在の興味のベクトルはパター向きですが、この本の真骨頂はウッド、特にマグレガー
を中心としたパーシモンの名器達の項です。もちろん、アイアン、パターも大きく
鮮明なカラー写真、スペックや特徴、時代背景までが詳細に記されていて見応えじゅうぶんです。


名器の系譜 _a0093304_15262356.jpg


海外でもこの本はコレクターや研究者の間では名高いそうです。余談ですが、以前に
カリフォルニア州インダストリーにあったゴルフ関連(文献中心)の博物館にお邪魔した時、
私が日本人と知ると「ウエノの本が手にはいるようなら買って送って欲しい」と頼まれました。
帰国後3冊を注文し、そのうち2冊が博物館に蔵書されたようです。
アメリカにもコレクターズブックとして名高いアンティーククラブの本は少なからず
存在しますが、これだけ系統だててまとめられ、かつビジュアルも充実した本はほとんど見あたりません。


名器の系譜 _a0093304_15325173.jpg


パターも名器といわれるモデルは1アイテム1ページに大きく紹介されており、また
名器同士を比較するページや同形状のモデルたちを集めたページなどにも多くスペースを割いています。


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他にもパーシモンの産地の地図やグリップ・シャフトの特集など、本当に読み応えの
ある一冊だと思います。 アンティーククラブ、クラシッククラブ好きにはもちろん、
クラブ作りに携わる人には特に必見だと思います。 ともすれば機能だけが優先される
今日のクラブに、当時の名器といわれるクラブの美しさ(もっともこれには好き嫌いが
ありますが)の要素を加える・・・難しい事かもしれませんが、これからはそこも
求められていくのではないでしょうか。

究極のゴルフクラブ、という題名のサイズの小さいコンパクト版も日本文化出版社から
出ていたはずですが、こちらも入手出来ないようです。
どちらも再版を強く望みます。せっかくの名著なので。

by greishi_7146 | 2008-01-04 15:39 | GENERAL


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