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THE BANK OF PUTTERS

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2007年 10月 12日

無刻印パター2題

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ブランド名やモデル名などの刻印が無い、いわゆる無刻印の削りだしパターヘッドです。




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削りだしブームの最中は、とにかく軟鉄でミリング痕があればそこそこ高く売れた、
なんて時期もありましたが、このヘッドはこのまま売ろうと思って作ったものではなく、
「ウチもこんなん作ったんですけど」というプロモーションサンプル(習作とも言います)
のようなものでした。


無刻印パター2題_a0093304_16393462.jpg


形状は、まあよくこの頃のパターに見かけるオーソドックスなものです。
どちらも似たり寄ったりに見えなくもありません。
銀色のほうは姫路のヘッド屋さんが作りました。もともとパーシモンのアタマや
鍛造のアイアンなどを作っていた会社です。これから削りだしもやってみよう、という
最初の作品のようです
方や黒いほうは東北の金属加工屋さんが持ってきたものです。自動車の部品などを
NC加工で作っていた工場が、不景気で思うように受注が無く、小耳にはさんだ「ゴルフ
のヘッドを削りだしで作ると高く売れるらしい」というかなり古い情報を元に
見様見真似で作った様子です。



無刻印パター2題_a0093304_16452479.jpg


そういうバックボーンが2つのヘッドにも現れているのが面白いです。
銀色のほうはゴルフクラブのヘッドとしての基本的なライやセンターの出し方などを
キチンと押さえています。他方黒いほうは・・・すごいフラットなクラブです。
34インチに仮止めして構えてみたらグリップエンドが股間に食い込みました。
どうやらこの小さな金属加工業のおじさんはゴルフにあまり詳しくないようです。
(ちなみにオーバーホーゼルの径が全然あっていません)


無刻印パター2題_a0093304_165110100.jpg


フェースのミリングです。黒いほうはさすがに金属切削のプロあけあって、キチっと
刃を合わせて均一に削っています。キャビティの処理も雑なようでいてしっかり
したものです。 銀色のほうはどうやらCNCには不慣れなのか、それとも外注したのか
ミリングマークというより「バリ」のようなひっかき傷な上、表面が焼けてしまって
います。

一長一短ですが、まあどちらもこのままでは売れません。
削りだしブームは功罪相半ばですが、ブーム初期にはこの程度のヘッドでも3−5万ぐらいで
売れていたそうです。末期には本当にしっかり作った出来の良いものも1万前後で
投げ売り・・・まあそういう時代だったのですね。

by greishi_7146 | 2007-10-12 16:57 | OTHER PUTTERS


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