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THE BANK OF PUTTERS

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2007年 05月 05日

ルールにまつわるエトセトラ

ゴルフのルールというのは非常に厳正かつ公平です。
いわゆる対人競技、団体競技と異なり、基本的には自分と向き合うスポーツだからです。
長い歴史の中で生じたさまざまなケースを一つ一つ検証し、ある時は経験から、ある時は
予測から全てのゴルファーにとって公平であるようにルールも又進化してきました。
・・・ゴルフという競技そのものに係わるルールにおいては。

では、用具についてはどうか、というと残念ながらゴルフのルールは必ずしも公平では
ないし、また用具の進化のスピードについていけていない、というのが正直な感想です。
もともとR&Aルールという、一種のローカルルールと同じくUSGAルールというローカル
ルールを世界統一基準として採用しているのでこの両者が(正誤に係わらず)決めた事が
世界のゴルフのルールです。そうである以上、R&Aが間違うという事は理論上ありません。
あくまで見解の相違、ですから。

クラブ作りをするほうにはこれほど厄介な話はありません。せっかく考案した画期的な
新理論や形状が一発でオシャカになってしまう危険と隣り合わせだからです。
クラブの中ではルールが比較的寛容なパターにおいてはかえってその傾向が顕著です。
ルールによる縛りがゆるやか…言い方を変えれば曖昧…な分、作る際のボーダーラインが
不明瞭なのです。

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ルールにまつわるエトセトラ_a0093304_1152127.jpg
ルールにまつわるエトセトラ_a0093304_11522328.jpg


もう何年も前の話で時効だと思うので書いちゃいます。
上のようなコンセプトのパターがありました。フェース中央から後方に真っ直ぐ伸びた
バー(PISTON ROD)がヘッドの起動を安定させ、さらにはそのバーによる残像効果で
正しいストロークが得られる、というものです。 深重心理論とかセンターウエィト
パターの走りみたいなものです。
このパターを作る際に、「こんな感じのものです」というコンセプトサンプルの
資料をJGAを通してR&Aに提出しました。 かなり経ってから来た返事を要約すると
「ルールに抵触していると思われます」という返事でした。


ルールにまつわるエトセトラ_a0093304_11582417.jpg


「どこが?」とは聞くだけ無駄です。最終的には「伝統的な形状」というとても便利な
文言でどうにでもなっちゃいますから。
ともあれ、R&Aの当時の結論は「ダメー!」でした。その後出た2ボールやCRA-Z
を始めとするユニークな形状のパターを見るにつけ「あの裁定はなんだったんだ?」と
不思議に思わずにはいられません。
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じゃあこのパターは違反のままでしょうか? いえいえ。
R&Aにもう一回同じ物を同じ人間が出してもそりゃあ無理だろう、という事で
実は全く同じ物をパターやルールに詳しいアメリカの友人から本人の名前でUSGAに
サンプルを提出して貰いました。。。別にルール上問題無いそうです、このパター。

ピンアイ2溝問題しかり、迷走して結論が二転三転したスプリング効果問題しかり。
ルールは常に公正ではありますが、運用するほうの資質というのははなはだ疑問が
残ります。
擁護するわけではないですが、それだけクラブの進歩に加速度がついている、とも言えます。(最後にちょっと腰が引けてます)

by greishi_7146 | 2007-05-05 12:12 | OTHER PUTTERS


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