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THE BANK OF PUTTERS

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2008年 05月 05日

ベリリウムカッパー

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ピンにおいてアイアン、パターに使われていた合金【ベリリウムカッパー】
アイ2ブーム以降、『ベリ』『カッパー』『BC』等の略称で呼ばれていました。


ベリリウムカッパー_a0093304_14444750.jpg


アイアン、パターともに製品としての特徴は 1高い 2人気がある 3変色(酸化)が早い など。
どれも扱う側にとっては痛し痒しの特徴です。特に3は売場で忌み嫌われていました。
合金=素材としての特徴はいくつかあるようです。科学的な事は門外漢なので定かでは
ありませんが、非常に柔らかい銅にベリリウムを配合することで強度を増す、というのが
主たる目的で、合金としてのBeCuは高抗張力で大きな弾性を持ちます。柔らかく弾きが良い、
というイメージにはいちおう合致しているように思えます。
比重はステンレスより大きいので、同じ物ならばベリリウムのほうが若干重くなる
ようです。
ベリリウム、というと例の「水兵リーベ僕の・・・」ってヤツ(周期表って言いましたっけ?)の
「ベ」の事のようです。という事はベリリウム自体はかなり軽いのでしょう。。。か??


ベリリウムカッパー_a0093304_14471542.jpg


ご存じのようにアイアン、パターともピンは現在では生産していません。
カーステンさんはもともとそれほどこの合金に固執していなかったフシがあり、
むしろ17-4phのステンレスを鋳造クラブヘッドに最適の素材として信頼していたようです。
生産中止にはいくつかの要素がありますが、直接的にはその毒性が挙げられます。
鋳造時に出るガスと研磨切削時の粉塵が人体に影響がある(具体的には肺に)という理由で
規制が進んでいました。当然、工員さんの健康面や工場の環境対策の事を考えると
歓迎出来る素材ではありません。 歩留まりの悪さ等の他の要素を加えたマイナス要因と
決して多くないプラス要因を秤に掛けて生産を中止した、というのが実情のようです。
現在もベリリウムはあまり歓迎されていないようで、例えばISOの取得に際しては
その使用に縛りがかかっているらしいです。


ベリリウムカッパー_a0093304_1523451.jpg


アイアンではEYE2, EYE2+, ZING, ZING2 (ウエッジのみ), ISI の5モデルにBeCuが
ありました。 EYE2, EYE2+のBeCuはもともと人気が高かったですが、最近では
ZINGのBeCuが中古で人気があるようです。これは「需要も少ないけど供給はもっと
少ない」という、少ないなりの品薄が招く事態だと思われます。EYE2あたりは
需要も多いですが、供給もそれなりにあるので。 

鋳造のベリリウムカッパーアイアンは、当時としては軟鉄鍛造アイアンに対する
カウンターパートのような存在だったと思います。

by greishi_7146 | 2008-05-05 15:08 | IRONS/PING


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